猫を拾った
Ep.3【一週間の逃亡】
-Day 5-
私は幼い頃から、大人に従い続けていた。
反発なんて、記憶の中にはない。
唯一したとすれば...いいや、やっぱりない。
親の言うことさえ信じていれば、褒めてもらえる。
親の指示さえ従っていれば、褒めてもらえる。
『紫ちゃんは、言うこと聞けていい子ね』
『いい子でしょう?うちの子だもの』
『うちの陸斗も、そんなふうになって欲しいものだけれど』
母が言う、私の子だものという言葉。
それはまるで、父の影響はないという言い様で。
なんとなくだが、嫌だった。
私は紛れもない二人の間の子で、母が1人で妊娠して産んだ訳では無い。
必ず、父親がいるはずなのだ。
『...邪魔だ、部屋で勉強しろ』
『ちょっと、そんなこと言わなくていいじゃない』
『お前も、勉強くらい1人で集中させてやったらどうなんだ、いちいち口を出してばかり』
小さい頃はその父の言い方だけにむかついていて、母親が可哀想だと思っていた。
でも成長して、だんだんそれが私のためだと理解できた。
誰よりも私のことを考えていたのは、父だったのだ。
反発なんて、記憶の中にはない。
唯一したとすれば...いいや、やっぱりない。
親の言うことさえ信じていれば、褒めてもらえる。
親の指示さえ従っていれば、褒めてもらえる。
『紫ちゃんは、言うこと聞けていい子ね』
『いい子でしょう?うちの子だもの』
『うちの陸斗も、そんなふうになって欲しいものだけれど』
母が言う、私の子だものという言葉。
それはまるで、父の影響はないという言い様で。
なんとなくだが、嫌だった。
私は紛れもない二人の間の子で、母が1人で妊娠して産んだ訳では無い。
必ず、父親がいるはずなのだ。
『...邪魔だ、部屋で勉強しろ』
『ちょっと、そんなこと言わなくていいじゃない』
『お前も、勉強くらい1人で集中させてやったらどうなんだ、いちいち口を出してばかり』
小さい頃はその父の言い方だけにむかついていて、母親が可哀想だと思っていた。
でも成長して、だんだんそれが私のためだと理解できた。
誰よりも私のことを考えていたのは、父だったのだ。