猫を拾った
Ep.last【一週間の終わり】
-Day 8-
「おやアキ、残業かい?」
ボスが死んだ顔の俺に、缶コーヒーを持ってくる。
お礼を売って受け取り、プシュッといい音を鳴らして開けた。
「どうだい、“飼い猫”の調子は」
「...さぁ、もう死んだんでしょう」
「おや、猫1匹のしっぽも掴んでいられないのかい?」
ボスが嘲笑う。
嘲笑っていればいい、俺の事なんて。
俺の事なんて、早く...
「依頼人まで殺してしまうなんてね」
「......」
「でもまぁ、判断は正しかっただろう。自分の娘にこの世はあってない、ってねぇ」
「......」
「毒親に悩まされて殺されるよりは、いいんじゃないかい」
次の仕事を期待しているよ、ポンと肩を叩いた。
外はうざいほどに晴れていた。
【総合病院302、紫が起きたよ】
そのリツからのメッセージに、俺は残業のことなんて忘れて、缶コーヒーを倒してこぼしたなんたことなんて忘れて、走った。
ボスが死んだ顔の俺に、缶コーヒーを持ってくる。
お礼を売って受け取り、プシュッといい音を鳴らして開けた。
「どうだい、“飼い猫”の調子は」
「...さぁ、もう死んだんでしょう」
「おや、猫1匹のしっぽも掴んでいられないのかい?」
ボスが嘲笑う。
嘲笑っていればいい、俺の事なんて。
俺の事なんて、早く...
「依頼人まで殺してしまうなんてね」
「......」
「でもまぁ、判断は正しかっただろう。自分の娘にこの世はあってない、ってねぇ」
「......」
「毒親に悩まされて殺されるよりは、いいんじゃないかい」
次の仕事を期待しているよ、ポンと肩を叩いた。
外はうざいほどに晴れていた。
【総合病院302、紫が起きたよ】
そのリツからのメッセージに、俺は残業のことなんて忘れて、缶コーヒーを倒してこぼしたなんたことなんて忘れて、走った。