御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
神様に愛されているようです

シャンゼリゼ通りの恋

雲の割れ目から降り注ぐ太陽の光が空気中の埃により拡散され、チンダル現象を起こし、まるでステージの花道のようにまっすぐ凱旋門へと続く道を照らしている。

世界で最も美しい通りと称賛されるシャンゼリゼ通り。

私は一人、大きなスーツケースを持ち、リュックサックを背負ってそこから凱旋門を眺めている。

何故私は何度もここに来てしまうのだろうか。

「ご存じですか? ここは楽園なんですよ」

ふわりと心地よい優しい声の男性が話しかけてきた。

声の方を振り向くと、推定身長185センチで年齢30歳前後と言ったところだろうか、透き通るような白い肌にキャラメル色の瞳が印象的なキリリとした大きな目をもち、瞳と同じ色の猫っけの髪をオールバックに固めている、外国人にも日本人にも見える男性が立っていた。

まるで天使が舞い降りたかのような美しさ。

身体にフィットしたダークグレーのスーツにベスト、真っ白なYシャツが彼の美しさをより一層引き立てている。

私が彼に目を奪われていると彼は続けて語り始めた。
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