御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか？

それにしても頭がいいし、仕事では気が回るのに何故このキーワードで分からないのだろうか。

私が彼をじっと疑いの目で見つめていると彼は頭を抱え、ゆっくりと口を動かし始めた。

「私は浮気なんてしていませんよ。昨日の昼に一緒にご飯を食べた女性は取引先の担当者であり、仕事の話をしながら食事をしただけで何の感情もありません」

疑われそうなことがあったらしいが、私が出して欲しい答えはそれではない。

「もう一度言います。一週間できないの。旅行に行くわけでもない。ちょっと辛いからもう寝てもいい？」

敬語も忘れ私は捲し立てた。
はっきり言わないのは少し嫌がらせのようなものだ。

もし女性と食事していたと聞かなければ伝えていただろうが、ここはゆっくり考えてもらおう。

「分かりました。おやすみなさい」

そう言って彼は寝室を出た。

仕事で彼はほとんど家で食事をしない。

私を抱く時間があるのなら、私と食事する時間を作って欲しい。

何故か私はそんなことを思いながら眠りについた。