御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
数日後、私達の婚約発表と社長退任を発表するためのパーティーが執り行われた。

急遽開催したにも関わらず、何の発表があるのかという好奇心を持った人々が多く詰め寄せていた。

私は高級ブランドの黄色のドレスを着て、プロのヘアメイクさんに綺麗にしてもらった。

首には10円玉ほどの大きさのハート型のピンクサファイヤを頂点に葉っぱ型のブルーサファイヤとダイヤモンドが二重三重に茎を織りなすようにデザインされ、アクセントに葉っぱ型のルビーがちりばめられているネックレスを付けている。

首の後ろまでダイヤで装飾されているので首元はキラキラだ。

耳にはハート型のイエローダイヤモンドが存在感を主張しながら輝いている。

可愛い。可愛すぎる。

この年でこんな可愛いものを見に付けていいのか? 大丈夫なのか? 
でも一生こんなのつけられないからいいよね。

皆近視であれ!

「とってもお似合いよ。さあ、そろそろ出番よ。行きましょう」と弘美さんが声をかけにきた。

値段も想像がつかない装飾品を身に付けたためか、落ちないか不安になりながら、教えられた通り背筋を伸ばしてゆっくりと歩き始めた。

一歩一歩があまりにも重い。

数日前に夜の営みを断ってから結局玲音は答えを出していない。
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