御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
ヤバい。可愛い可愛すぎる。惚れちまうよ!

「嬉しいです。嬉しいです。すっごく嬉しいです。でも玲音さんはお仕事もあるので無理はしないでくださいね。一緒に食事して会話できるだけで私は嬉しいのですから」

「そうですか。それは良かったです。どうも料理は苦手なようです」

「仕事と同じですよ。何度も失敗を繰り返して上手くなります!」

「そうですか。私は仕事ではミスをしないもので」

おっと、彼はミスターパーフェクトだった。

でも私は彼の弱点を知れた。何故だろう。人の弱点を知ると相手を更に愛おしく思えてくる。

もし、私が彼に惚れたとしても、一方的に与える愛なら問題ないよね?

傷つくことは覚悟の上だ。
これから授かるかもしれない子供だけでなく玲音を含め、私はこの家族を愛そう。

誰かの特別にはなれなくても、私の特別は作ることができるのだ。

そうか。私の特別な人。

何故その事に今まで気が付かなかったのだろう。


それからの私達は順風満帆。それはまるで本当に愛する二人が織りなすような日々。

彼は副社長就任に向けて大忙しで休日なんてあってないようなものだが、たまに食事を一緒に作ることもある。

器用そうに見えて意外と不器用な玲音との料理はまさに共同作業で本当に楽しい。
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