御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
「そうなの。そうよね。まぁ、その方がいいわ。そうそう。今住んでいるところはセキュリティゼロのようだから色々探していたんだけど、結婚するんだから今日からもう玲音の家に住んじゃいなさいよ」
「え? それはご迷惑だと思いますので」
「何言っているの。付き合い始めなんて一日中一緒にいたいもんでしょ。そうよね、玲音?」
弘美さんが笑顔で言うと玲音は「はい」と真顔で答えた。
いやいや、そこは結婚するまでは、とかなんとか言って否定するものじゃないだろうか。
「あぁ、もうこれからが楽しみね。結婚式場とかは私と決めましょう。どうせ玲音は仕事仕事で役に立たないと思うから」
「はぁ……」
「それと、玲音と結婚なら採用は取り消しにしましょう。身につけなきゃいけないことが沢山あるからそれどころじゃないわ」
ここに来て私はようやくあることに引っかかった。
さっきから弘美さんは私の採用について言及している。
でもホテルウルーズの社長は花岡喜一郎……喜一郎。
「もしかして玲音さんのおじい様はホテルウルーズの社長である花岡喜一郎さんですか?」
「あら、それもまだ伝えていなかったのかしら。玲音ったら恋に夢中になりすぎて伝え忘れていたのね。そうよ。私の父が現社長。って言っても名ばかりだけどね。父に伝えたら本当に喜んでいたわ。これで安心して退けるって」
何か大きな波に飲み込まれるように私の意識は遠のいていった。
「え? それはご迷惑だと思いますので」
「何言っているの。付き合い始めなんて一日中一緒にいたいもんでしょ。そうよね、玲音?」
弘美さんが笑顔で言うと玲音は「はい」と真顔で答えた。
いやいや、そこは結婚するまでは、とかなんとか言って否定するものじゃないだろうか。
「あぁ、もうこれからが楽しみね。結婚式場とかは私と決めましょう。どうせ玲音は仕事仕事で役に立たないと思うから」
「はぁ……」
「それと、玲音と結婚なら採用は取り消しにしましょう。身につけなきゃいけないことが沢山あるからそれどころじゃないわ」
ここに来て私はようやくあることに引っかかった。
さっきから弘美さんは私の採用について言及している。
でもホテルウルーズの社長は花岡喜一郎……喜一郎。
「もしかして玲音さんのおじい様はホテルウルーズの社長である花岡喜一郎さんですか?」
「あら、それもまだ伝えていなかったのかしら。玲音ったら恋に夢中になりすぎて伝え忘れていたのね。そうよ。私の父が現社長。って言っても名ばかりだけどね。父に伝えたら本当に喜んでいたわ。これで安心して退けるって」
何か大きな波に飲み込まれるように私の意識は遠のいていった。