御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
家に着くと、彼は「木造アパートの1階。母がわざわざ部屋を用意する意味が分かりました」と言って仕事に戻った。
私は彼を置いて車から降り、自分の部屋の鍵を開けた。
確かに都内で女性がセキュリティーのない1階に住むことは危ないとされている。
しかし、零細企業の一般事務のお給料ではセキュリティー万全な家に住むのは自分で自分の首を絞めかねない。
私は、玄関の扉を開けて中に入った。
病に倒れた母の看病で何度も欠勤が続き、高校卒業後に働いていた会社はクビになった。
母が亡くなった後は何もやる気が起きず、半年ほど生活の為に気を紛らわすためにアルバイトを続けた。
ある日、母の遺品を整理していた。
母は元からあまり物を持たない主義の上、生前から終活をしていたので家の中に母のものはほとんどなかった。自分の余命が短いことが分かっていたのだろう。
ずっと開けられずにいた病院に置いてあった荷物を詰めたボストンバッグのチャック開けて中身を取り出す。
母の為に洗濯しておいた小さな花柄のパジャマやタオルが出てくる。
母と二人で写っている写真が入った写真立てや母が病床で読んでいた本も出て来た。
本のページを何となくぺらぺらとめくっているとある本からストンと紙の束が落ちてきた。
私は彼を置いて車から降り、自分の部屋の鍵を開けた。
確かに都内で女性がセキュリティーのない1階に住むことは危ないとされている。
しかし、零細企業の一般事務のお給料ではセキュリティー万全な家に住むのは自分で自分の首を絞めかねない。
私は、玄関の扉を開けて中に入った。
病に倒れた母の看病で何度も欠勤が続き、高校卒業後に働いていた会社はクビになった。
母が亡くなった後は何もやる気が起きず、半年ほど生活の為に気を紛らわすためにアルバイトを続けた。
ある日、母の遺品を整理していた。
母は元からあまり物を持たない主義の上、生前から終活をしていたので家の中に母のものはほとんどなかった。自分の余命が短いことが分かっていたのだろう。
ずっと開けられずにいた病院に置いてあった荷物を詰めたボストンバッグのチャック開けて中身を取り出す。
母の為に洗濯しておいた小さな花柄のパジャマやタオルが出てくる。
母と二人で写っている写真が入った写真立てや母が病床で読んでいた本も出て来た。
本のページを何となくぺらぺらとめくっているとある本からストンと紙の束が落ちてきた。