御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
そうじゃないんだよなと思いながらもこれ以上は踏み入れない方がいい気がして、食事をしながら契約内容について確認する作業に移った。

「私と子供を作るってことは夫婦の期間は長くなりますが大丈夫ですか? 私から子供を奪うというのはやめてくださいね」

「もちろんです。問題ありません」

「この不倫・不貞を疑われる行為は慎むことってありますが、これは疑われなければ隠れて不倫オッケーってことですか?」

「ダメです。それはすぐにでも修正しましょう。不倫不貞行為は一切禁止です!」

そうして欲しいと思っていたけれど、まさか彼から言ってくれるとは思ってもいなかった。

「子供に悪い影響を与えます」と補足していたので全ては優秀な人材を育てる為なのだろうが、どちらにしても私には好都合だ。

「じゃあ、玲音さんも不倫しないってことでいいですよね?」

「問題ありません」

「本当に? 私以外の人とキスもそれ以上もできないってことですがそれでいいんですか?」

「美音さん以外とは考えられません」

ズッキュン!
何? このときめきメーカー。

もうこれは好きが分からずとも好きになっているパターンではないか? なんて思っていると「時間の無駄です」と言われた。
< 99 / 129 >

この作品をシェア

pagetop