強情♀と仮面♂の曖昧な関係
部長の意地悪
12月。
毎年恒例、小児科の忘年会。
病院近くのイタリアンレストランで行われた。
「今年は随分おしゃれね」
隣の席に座った夏美につぶやいてしまった。
今まで参加した飲み会と言えば、居酒屋や中華、奮発してお寿司って言うのがほとんどだった。
こんな、イタリアンレストランを貸し切っての忘年会なんて始めて。
「部長のアイデアらしいわ。参加人数も40人を超えているし、若いスタッフも多いから、いいチョイスだと思うわよ」
「へー、部長がぁ」
確かに、おしゃれよね。
「山形先生、食べてますか?偏食かなんだか知らないけれど、しっかり食べて明日からも働いてくださいよ」
遠くの席から大きな声で話す部長。
フン、分ってます。
食欲不振は悪化の一途をたどり、最近ではめまいを起こすことのある私。
自分でもまずいなって思っている。
「先生どうぞ」
師長が赤ワインの入ったグラスを差し出した。
え?
思わず見つめると、
「部長が山形先生にって」
はあぁー、もう。
「先生、しっかり食べて飲んでください」
またまた部長の大きな声。
「はい。いただきます」
立ち上がって部長を見ると、嫌みたらしくお礼を言った。
クソッ。
小児科部長め。
私の事が気に入らないなら、かまわずに放っておいてくれればいいのに。
「紅羽、顔が怖い」
グラスのワインを流し込む私に夏美の突っ込み。
分ってます。
でも、笑って受け流せない私。
いつの間にか、アルコールの量だけが増えていく。
あちこちのテーブルで酔っ払いが大量発生しだしていた。
毎年恒例、小児科の忘年会。
病院近くのイタリアンレストランで行われた。
「今年は随分おしゃれね」
隣の席に座った夏美につぶやいてしまった。
今まで参加した飲み会と言えば、居酒屋や中華、奮発してお寿司って言うのがほとんどだった。
こんな、イタリアンレストランを貸し切っての忘年会なんて始めて。
「部長のアイデアらしいわ。参加人数も40人を超えているし、若いスタッフも多いから、いいチョイスだと思うわよ」
「へー、部長がぁ」
確かに、おしゃれよね。
「山形先生、食べてますか?偏食かなんだか知らないけれど、しっかり食べて明日からも働いてくださいよ」
遠くの席から大きな声で話す部長。
フン、分ってます。
食欲不振は悪化の一途をたどり、最近ではめまいを起こすことのある私。
自分でもまずいなって思っている。
「先生どうぞ」
師長が赤ワインの入ったグラスを差し出した。
え?
思わず見つめると、
「部長が山形先生にって」
はあぁー、もう。
「先生、しっかり食べて飲んでください」
またまた部長の大きな声。
「はい。いただきます」
立ち上がって部長を見ると、嫌みたらしくお礼を言った。
クソッ。
小児科部長め。
私の事が気に入らないなら、かまわずに放っておいてくれればいいのに。
「紅羽、顔が怖い」
グラスのワインを流し込む私に夏美の突っ込み。
分ってます。
でも、笑って受け流せない私。
いつの間にか、アルコールの量だけが増えていく。
あちこちのテーブルで酔っ払いが大量発生しだしていた。