S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
「それはまたふたりでゆっくり考えていくよ。なぁ菜乃」
朋久に結婚式をしたいなんてワガママは言えない。入籍して紙切れ一枚だけの夫婦になれるだけで万々歳だ。
「うん。おじさま、おばさま、結婚式のことは心配しないで」
明るく答えてにこっと笑う。
「寿々、そのへんは当事者たちに任せるしかないだろう」
「そうね」
「父さん、母さん、ありがとう」
その後、菜乃花たちは浩平たちと夕食を共にし、婚姻届の承認欄にも署名をもらい、実家を後にした。