S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
「ねね、朋くん、すごく眺めがいいよ、ほら」
徐々に高いところに上っていく観覧車。園内だけでなく、その先の景色まで一望できてとても気持ちがいい。スカイツリーや東京タワーが堂々とした姿を現した。
「ね、うちの事務所ビルはどこだろう」
京極総合法律事務所も高いビルだから発見できるのではないかと目を凝らす。
「うちはそうだな……こっちの方角だ」
「え? どっち?」
朋久の指が差すほうに目を向けた。しかし遠いため、似通ったビルの中から探し出すのは困難。
「どれだろう」
つい夢中になって窓にへばりつく。
「あ、あれじゃないか?」
「えっ、どこどこ」