S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
「さっきからチラチラとどうした」
「えっ」
「俺を見てただろう」
――まさか気づかれていたとは。
「や、やだな、朋くんってば自意識過剰なんだから」
動揺してフォークを皿の上に落とした。
「俺の顔に穴が開くからよせ」
意地悪な口調は相変わらずではあるが。
「顔に穴は開きません」
言い返しながらフォークを取ったが、再び手が滑って今度はフロアに落ちる。動揺しすぎだ。
朋久はククッと肩を揺すって笑った。