S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

「そ、それはそうだけど。ベッドの上とこことじゃ違うの」
「じゃあもう一度ベッドに戻ろうか。なんならこれからもう一回」
「ダダダ、ダメ! 今日は仕事でしょう?」


本気でそうしそうな朋久からぴょんと一歩飛びのいた。


「それなら、今夜の楽しみにとっておくか」
「今夜!?」


そんなに続けざまなのかと聞き返す。


「これでも俺、昨夜は自制してたんだぞ? 菜乃は初めてだから無理させられないだろう。ほんとは朝まで抱きつぶしたいくらいだった」
「だ、だ、抱きつぶ……!」


朝から過激なことを言わないでほしい。
顔を真っ赤にして固まっていたら、朋久はその毛布ごと菜乃花を抱きしめた。


「かわいいな、ほんと。本気でベッドにUターンしたいくらいだ」


耳元で囁く声が果てしなく甘いから、プシューッと音を立てて全身から空気が抜けてしまいそうになる。
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