S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
朋久と本当に離婚していたかもしれない。恐ろしい未来を回避できたのは、冷静な朋久のおかげだ。
「そのお礼をこれからたっぷりしてもらおうか」
「お礼? なにか欲しいものがあるの? 私でも買えるもの?」
「なに言ってんだ。お金をいくら積んだって買えないものだ」
朋久に額を軽くピンと弾かれた。
「そんなものどうやって――」
「急いで帰るぞ」
戸惑う菜乃花に意味深な笑みを向け、朋久は車を発進させた。