S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
もう二度とキスなんてできない、朋久に近づけないと悲観していたため、体に感じる重みがとても愛しい。
「菜乃」
「……朋くん」
キスをしながら何度も名前を呼び合い、ふたりの体温を上げていく。ちょっと待ってと言っていた自分はどこへいったのか、菜乃花は早く朋久の素肌を感じたくて堪らなかった。
唇を吸い合い、舌を絡ませながらお互いに着ているものを脱がせていく。
朋久が恋しくて、心だけでなく体で彼を感じたくて、気持ちが急いた。
朋久の唇が、露わになった素肌にあますところなく伝っていく。漏れる息は甘くなり、呼吸は弾み、与えられる刺激に体が小さく跳ねる。
彼の熱いものが体を貫いたときには、全身を幸せな痺れが駆け抜けた。
「菜乃……なにがあっても離してやらないからなっ」
「私も絶対に朋くんから……離れない」
手を握り合い、熱い視線を交わし、淫らに交わる。
激しく揺られ、強く突かれ、ふたりの境界線が溶けてなくなっていく。どこからが自分かわからなくなる感覚に身を委ねながら、再び彼に抱かれる悦びが体の奥から溢れ、途方もない幸せに包まれた。