S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

「朋くん、どうかな?」


菜乃花が不安そうに尋ねる。

胸元からトレーンまで大きなビジューが煌びやかに輝くプリンセスラインの純白のドレスは、幼い菜乃花が夢見ていたそのもの。それを着た彼女の美しさに胸を撃ち抜かれる。


「菜乃」


感極まり、名前を呼んで我を忘れて抱きしめた。


「朋くん?」
「綺麗過ぎて目眩を起こしそうだ」
「やだなぁ、大袈裟だよ」


菜乃花が朋久の背中を宥めるように撫でる。


「昔、菜乃が言ってたまんまのドレスだな。キラキラでヒラヒラしたフワフワの真っ白なドレス」


胸を押して朋久を見上げ、菜乃花が目を丸くする。


「……朋くん、覚えていてくれたの?」
「菜乃のプロポーズ、うれしかったよ」
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