S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
「菜乃、あとで見ておいてくれ」
「せっかく心を込めてプレゼントしてくれたものを人任せにしたらダメだよ、朋くん」
中には義理もあるだろうが、一生懸命選んでくれた人に対して失礼だ。そのうちのひとつが自分のものだったら絶対に悲しい。
「へぇ、菜乃は優しいな」
「そんなことないよ。ただ自分に置き換えたら嫌なだけ」
とはいえ、その心が清廉潔白とは言いきれない。たくさんのプレゼントにモヤモヤするのも事実だ。
それに、結局最後は甘いものを食べられない彼に代わって、菜乃花が食べる羽目になるのだけれど。
「ちょうどご飯ができたから、着替えて手を洗ってきてね」
「了解。いい匂いだな」
朋久が手を洗っているうちにテーブルに料理を並べていく。
「お、ハンバーグか。俺、菜乃のハンバーグ、好きなんだよな」
「そうなの?」