笑顔で君に向けて


それから1週間後、お見合いの日だ。そして、夜弥の誕生日。
プレゼントは、学校で渡すつもり。


朝早くから着物に着替えて、お化粧をして。


午後3時ぐらいに、とても高級そうなホテルに着いた。相手はもう部屋に来ているらしい。

「失礼します。」


下を見て、相手の顔を見ないようにした。お見合いという事実を認めたくなかったから。


「朝沙日、ちゃんと挨拶しなさい。」
お父さんが言う。

「ひ、花園朝沙日です。本日はどうぞよろしくお願いします。」

顔を見ないで。なんてさすがに無理で、相手の顔を見る。
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