あお
「…いいんですか?私何も取り柄ないですよ」

「そうやって自分けなしてどうすんだよ?だから採用されないんじゃないか?」

「はは……」

「これ、地図。仕事内容は来ればわかるよ。じゃ、よろしく。あ、サンドイッチ半分やるよ。じゃあな」

「はい…、ありがとうございます」

なんだか…突然仕事が決まった。
帰って、真っ先に依子ちゃんに報告した。

「本当に!?よかったね!!」

「うん。ちょっと遠いんだけどね…」

「そうなんだ…、でもせっかくだし頑張ってみなよ。で、どんな仕事なの?」

「来ればわかるよって…、まだ何もわからないんだ」

「ふぅん。だけどその人、悪い人じゃないんでしょ?大丈夫だよ」

「うん。サンドイッチ食べる?」

依子ちゃんはまるで自分のことのように喜んでくれた。
なのに当の私は信じられずにいた。今まで何社も落ち続け、今日偶然昔の知り合いに会ったことで、あっさりと決まってしまったから…か?

「おはよう」

「おはよう、舞子ちゃん早いね。仕事もう今日からなんだ?」

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