あお
「あれ?こんな道あったっけ!?うそっ、また迷っちゃった……」

とにかく私は地図を見ながら歩いた。

「…ここさっき通ったとこだ…。もう、この地図わかりなくいし!」

なんで私ってこんなに情けないんだろう…。
自分がいやだ…。

この前迷った時は健藏さんがいてくれたから帰れたけど……今日は本当に帰れないかも…。

「健藏さん…、元気にしてるかな…?」

その時、男の人が二人、声をかけてきた。

「ねえちゃん、これから俺らと遊び行かねぇ?」

「もう、それどころじゃ…、あ、そうだ。一本松のバス停に行きたいんだけど、道に迷っちゃって…。教えてくれませんか?」

「一本松?知ってるよ。ついてきな」

ナンパ男たちは、バス停まで連れてってくれた。

「ほら、あそこだよ」

「よかったぁ、助かりました!あ、ちょうどバスも来た。どうもありがとうございました」

「……………」

タイミングよく来たバスに、乗り込んだ。
なんて人のいいナンパ男たち。
おかげで無事、家に帰ることができました。

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