あお
「ははは、ナンパしてきた人を利用するなんて、やるね!」

「もう藁をも縋る思いでなんでもよかったのさ」

「だよね。使えるもんは使えーと。で、仕事はどうだった?」

「それがよくわかんないんだよね。須藤さんも今やることしか教えてくれないし、時給だとか休日とかも何も言ってくれない。何の会社なのかもよくわからん。他の人は今日から私が入ること知らなかったみたいで驚かれちゃったよ。…大丈夫かな?」

「そうなの?まぁ慣れてくればきっと大丈夫だよ」

「…依子ちゃんはどうなの?学校とかバイトとか…私ばっかり聞いてもらっちゃってる気がするけど…」

「そう?まぁそれなりに。もうすぐテストが始まるよー」

「えっ、じゃあ勉強しなきゃいけないね。って依子ちゃんいつも頑張ってるか。ごめんね、大事な時にくだらない話ばっかり聞かせて…」

「そんな、くだらないことじゃないでしょ。大丈夫だって!」

そうは言っても…私はふと、依子ちゃんの足を引っ張ってるのではないかと不安になった。
なるべく迷惑かけないようにしないと…。

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