あお
不安
週末になった。

「お疲れ様でした。あの、…明日は休みですよね?」

「当たり前じゃん。日曜だろ。また来週よろしく」

だって、何も言ってくれないんだもん…。
そっか、日曜が休みね。

須藤さんの会社に行くようになって五日…。やることといったら雑用ばかり。
それはいいけれど、会社の人とも、まだ馴染めずにいる…。
まぁ、そのうち…そのうち…

「日曜だぁ。久しぶりに堂々とぐうたらしようかな!…なんて。依子ちゃんまだテスト終わんないんだよね…」

「ああ、私のことは気にしないで、ぐうたらしていいよ」

「そう?じゃあお言葉に甘えて…」

一生懸命勉強をしている依子ちゃんの横で私はだらだら…
なんて、いくら私でも、やっぱり出来ずに出かけることにした。
アテも無く、ただ歩いていた。

やっと仕事に就けて、初めてこの地を自分の足で歩けているような気がした。
見えるものも違って見えた。
仕事のことはまだよくわからずに不安がいっぱいだけど…、今日は休みだし忘れようっ。

< 28 / 100 >

この作品をシェア

pagetop