あお
「いやあぁぁ…!」

「舞子ちゃん!?」

うなされて目が覚めた。

「舞子ちゃん、どうしたの!?」

「あ…、あーよかった、夢だったんだ…」

「恐い夢みてたの?」

「うん…、依子ちゃんが…、チョウチョになって、クモに食べられた夢…」

「えええ?舞子ちゃん、おもしろい夢みるねー。私がチョウチョに?ははは…」

「依子ちゃん、大丈夫!?」

「え、大丈夫だよ私は…」

「…何か困った事があったら言ってね!私なんかにできることはないかもしれないけど…」

「……うん」

そして依子ちゃんは、バイトや学校でのつらさを話してくれた。かなりうっぷんがたまっていたようだ。
思えば、こんなに愚痴ってくれたのは初めてかも…

「そんなん言われたってさぁ、私さぁ……」

愚痴りながら、依子ちゃんは眠りについた。

私にはただ聞くことしか出来ないけれど、依子ちゃんにとって、話せる存在になれたことがうれしかった。

朝になった。

「舞子ちゃん…、私ゆうべ変な事言ってなかった?」

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