あお
「そんなわけで、社長さん、今日あたし居ちゃってもいいですか?」

「ああ、いいよ」

「やったぁ!何でも手伝います!何かないですか?」

…この子は昔からこびを売るのが上手い。
須藤さんは、迷惑どころか逆に嬉しそうな顔をしていた。
私にはあんまりあんな顔してくれない…。

「お疲れ様でした…」

ほんとに疲れた…。

「あー楽しかった!舞子ちゃんのお仕事ってラクだね!」

「なっ…、あんたはパソコンで遊んでたけど、私が倉庫で何してたと思ってんの!?クーラーはきいてないし…、雑用をバカにしないでよね!」

カァ~ッとなって、つい怒鳴ってしまった。
いくらこの子でもヘコむか……
なんて気にしたけど…。

「ごめん、ごめーん!雑用はエライエライ!」

…この子は昔から年上の私をバカにしてるんだ。

蜜菜は昔から振る舞いが上手で、大人たちからほめられて、その点舞子は…と、私はけなされていたのだ。

それでも子供の頃は仲良しだった。でも大きくなるにつれ、やっぱり蜜菜と居て、比べられるのが嫌になり、離れていったのだ。

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