あお
蜜菜だって、私と居て、だんだんつまらなそうになっていったのだ。
なのになんで今頃ついでだからと言って、わざわざ寄るんだ?

…まさか親に頼まれて偵察にきたんじゃ!?

「ねぇ、今夜何食べる?」

「は?…あんたまさか、今夜泊まる気!?」

「そうだよ。いいじゃん、いとこ水入らずでさぁ」

「…学校はどうしたの?まだ夏休みじゃないでしょう」

「お母さんが休んでいいって」

「旅行のために休んでいいって!?あんたのお母さんって…」

「イケてるでしょ!ねっ、あたし焼肉食べたい!」

…呆れてモノも言えなかった。

「おいしー、焼肉って久しぶり。ね、舞子ちゃん」

「でもこのお肉かたいね、パサパサしてるし。やっぱ黒毛和牛だよねー」

「…………」

依子ちゃんも、何も言えなくなった。

依子ちゃんは、小さい頃遠くに居たからなかなか遊ぶ事も出来ず、この日、初めて蜜菜の正体を知ったのだ…。

「あっははは、やっぱり?……えー?……はっはっはっ!」

蜜菜は携帯で誰かと騒がしくしゃべっていた。

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