あお
―カチャッ

玄関を開けると、とんでもない光景が目に飛び込んできて、とっさにドアを閉めた。

「…部屋間違えちゃった…かな!?」

「…いや、ここだよ……」

恐る恐る、再びドアを開けた。

「…おかえりなさい!」

「…あの~、…どちらさん?」

「あたしの彼。2人ともいなくなっちゃうんだもん、呼んじゃった!」

「どーも、おじゃましてまっす」

「……どうも」

なすすべもなく、私と依子ちゃんは玄関に立ったまま、固まって居た。

「か…、彼氏と旅行だったんだ…」

「ううん、彼とはきのう駅で出会ったばかりなの。ねー!」

「出会ったばかり!?で、あんな濃厚なキ……!」

「もう!いいでしょ!あたしの人生なんだから。カズくん、この人たちうるさいからどっか行こっ!どうもおじゃましました、してくれました!」

そう言って、蜜菜は彼と去って行った。

「な…、なによあれ!?」

「気持ち悪かったね…」

「本当に何しに来たのよ、あの子は!?」

台風が突然来て、去って行った1日だった。
被害は、精神的被害…。

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