あお
―ピロピロピロ

おにぎりを食べようとした時、須藤さんから電話がかかってきた。

「はい」

『なんで黙って出るんだよ!終わったら終わったってちゃんと言えよ!』

…い、いきなりの怒鳴り声にびっくりした。

「あの、ちゃんと言いましたよ…!」

『言い訳はいいんだよ!…もう今日はそのまま帰っていいよ!』

「あ、あのっ……」

ガチャッ

なんで…?
ちゃんと言ったのに……

私は悲しくて、くやしくて、たまらなかった。
と同時に、怒りが込み上げてきた。

帰り道、私は橋の上でぼんやりと川を眺めていた。
おにぎりも、のどを通らず、手に握りしめたままでいた…。

「……くっ、…バカヤロ~ウ!!」

たまらずに大声で叫び、握りしめていたおにぎりを投げた。

「いてっ…」

ヤバイ…!
土手で寝ていた男の人にあたっちゃった……。

「ごめんなさーい…」

「食べ物を粗末にすんなー」

そう言いながら、その人は橋に上がってきた。
怒られる…!

「ごごご、ごめんなさいっ…」

「うまい。サンキュー、ちょうど腹が減ってたんだ」

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