あお
「…へ?」

ゆっくりと目を開けて見ると…

「よっ、久しぶり!」

け…健藏さん…!

「あ、あ、あい………」

「ん?」

会いたかった、と言おうとしたが、あまりの偶然が嬉しくて、言葉をつまらせた。

「あんな大声で叫んで、また何かあったの?」

「…えへへへ、また………」

「なぁ、この下気持ちいいよ。久しぶりだし話さねぇ?」

ということで、私達は土手に座った。

「ほんとだ。涼しいね、この大きな木の影で…」

「な。で?」

健藏さんは、何があったのか?と、耳を傾けてくれた。
私は、事務所に行き始めてからのことを全て話した。

「ひでぇな。バカにしてるな」

「でしょー?」

「辞めちまえ、そんな会社」

「うん、そのうち…。でも他のところでなかなか採用されなかったしな…。だけど今のとこでもいつになったらその仕事ってのになるの?って感じだし…、はぁ…」

「…よし!今夜は飲もう!ヤなこと忘れてさ。俺がおごるよ」

「…本当に!?」

「おぅ、遠慮は無用!」

健藏さんは、橋の下から大きなバイクを持ってきた。

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