あお
「ただいまー」

「おー健藏!おかえり、日本一周は楽しかったか?」

「そりゃあもう、楽しかったよー。あ、みやげはないよ」

「なんだよ~、それを楽しみに待ってたのにぃ。…おや?その子は健藏の彼女かい?」

「そう」

「ち、違いますっ…!」

「言ってみただけだよ。そんなに強く否定しなくてもいいだろ」

「だって…、あーびっくりした」

「ははは、仲が良いんだな。よし!今日はやきとり1〇本サービスするよ」

「マジで!?やった!」

とても家庭的な雰囲気の居酒屋だ。
健藏さんは、自分の家に居るようにくつろいでいた。

「ここな、俺が昔バイトしてたとこなんだ。あ、そうだ。いとこも呼べば?」

「いいの?」

「いいよ、呼べや」

依子ちゃんに電話を入れた。けれど、留守番サービスにつながった。

「出ないや…。メール入れとこ」

「あ、舞子アドレス教えて?俺のは、……はい、これ」

「うん。……はい」

「ぷっ…、おもしろいアドレスだな」

「…いいでしょ!」

健藏さんは私のアドレスを見て、いつまでも笑っていた。

「…もう!」

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