あお
「ビール大ジョッキお待ち~、きっと初めての酒だろう?気合い入れて飲め!」

「おー、よくわかったな!」

「おめーじゃねぇよ、彼女だよ!おまえは昔店でこっそり飲んでたじゃねぇか。まだ未成年だったんじゃ…」

「くっ、バレてたか…。まぁいっか。俺だっておやじの秘密知ってるもんなー」

「え?俺の秘密!?俺の秘密…秘密…、なんだっけなー……?」

「ははっ、考え込んじゃった、冗談なのに。さっ、今夜はヤなこと忘れて飲もう!」

お酒って…、気持ち良くなるんだよね!?
ヤなことも忘れられるんだよね!?

私は日頃のうっぷんを晴らしたくて、初めてのビールを大ジョッキで一気飲みした。

「…っあ~~!」

「…すごい飲みっぷり」

「おやじさん、おかわりください!」

「…大丈夫か?」

「大丈夫よぉ。今夜はヤなこと忘れるんだから…、須藤のバカヤロ~ウ!」

私は姿格好構わず飲んだくれた。
もうヤケクソ。
飲みながら、たくさん愚痴を吐き出した。
事務所のこと、家のこと、幼い頃のことまで…
いくらなんでもしゃべり過ぎたかもしれない…。

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