あお
でも健藏さんは、嫌な顔ひとつせず聞いてくれた。

「私を何だと思ってるんだぁ!」

調子に乗って、いつのまにか大ジョッキでおかわりを5杯もしていた。
その頃はもう、酔って意識が朦朧となっていた。

「う~…ん…」

「もういいか?…ヤなこと全部吐けた?」

「うん………」

「立てるか?」

「立て…る…よ」

ガタガタガタ…

「あいった~…」

立てなかった。

「おい、大丈夫かよ~…?」

「へへへへへ…」

「…おくってくけど、そんなんじゃうしろ乗っけるの危ないなぁ」

「健藏が住んでた部屋がまだ空いてるから、そこに寝かせたらどうだ?」

「いいっすか?じゃあそうさせてもらうか」

健藏さんは私を抱き上げて、その部屋に連れて行き、寝かせてくれた。

「懐かしいなぁ…。あ、そういやいとこが心配してるかもな。ちょっと携帯かりるよ」

健藏さんは依子ちゃんに電話をし、事情を話して心配しないようにと、伝えてくれた。

「あー…俺も酔ってるから帰れないな…」

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