あお
翌朝、私が目覚めたのは9時半だった。

「うそぉ!?ヤバイっ遅刻だ…、怒られる…!」

「…ん?…もう休めよ、今日…」

「そんなこと言ったって、連絡もしてないのに……えっ!?なんで健藏さんがここに!?…ここはどこ!?あいたたたた……」

「ゆうべ酔いつぶれて帰れなくなって、おやじが部屋を貸してくれたんだ…、覚えてないのか…?」

「何も…、頭痛ぁい……」

「二日酔いだろ。あんなに飲めばなぁ…、ふわぁ~…」

「とにかく行かなきゃ…、痛ぁ……」

「…行くのか?…じゃあ乗っけてこうか?」

「お願いします…」

バイクでスーッと、いつもの通勤時間の半分で着いた。

「ここか。…なんか陰気だな」

気が重い…
本当は来たくなかった…。
だけど昨日のことが原因でさぼってると思われたくないし…。

「何かあったら電話でもメールでもしろ。すっとんでくるから」

「うん…」

入ろうとした時、中から話し声が聞こえてきた。

「来ませんね、藤崎さん」

「無断欠勤なんて最低だよ。社長も大変ですよね」

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