あお
「そうなんだよ、昔の知り合いだからってさ、あの子の親に頼まれて。まったく…どこで俺が会社やってるって聞きつけたんだか。弱い者を助けといたらいいこともあるだろうって思って引き受けたけど、全然だめ。仕事にはならないし、逆に手が掛かる。そういえばあの子、昔からとろかったな」

「そうなんですかー」

「なんっか暗いしさぁ、迷惑なんだよー、もう来なくたっていいよ」

―カチャッ

私はドアを開けた。
私がここにいると知らずにしゃべっていた3人は一瞬青ざめたが、すぐに普通を装った。

「おはようございます…」

「…遅いよ。時間はちゃんと守ってくれないと。…ん?酒臭くないか?飲んだのか?」

「…すみません」

「はぁ。…じゃ、今日は倉庫の掃除でもしてもらおうかな」

「舞子、帰ろう」

そばで聞いてた健藏さんが乗り込んで来た。

「ちょっと君誰?いきなり入って来て失礼だな!関係者以外は立ち入り禁止だ!」

須藤さんはそう言って、健藏さんを押し出そうとした。

「痛ぇな!俺は舞子の関係者だ!バカにすんのもいいかげんにしろ!」

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