あお
アパートに着いて、健藏さんは部屋までおくってくれた。

「舞子ちゃん!おかえり…」

依子ちゃんが笑顔で出迎えてくれた。
思わずまた涙目になってしまい、依子ちゃんはびっくりしていた。

「どうしたの!?…まさかあなた舞子ちゃんに何かしたんじゃ!?」

「違うの、健藏さんは私を助けてくれたの。ごめん…」

「…そうなんだ、ごめんなさい、疑ったりして…」

「いや…」

「…健藏さん、本当に今までいろいろとありがとう。私ずっとお礼が言いたかった…」

「なんだよ、改まって。…もう会えないみたいじゃん」

「………頭痛いから寝るね」

二日酔いとショックでボーッとしていた。
眠って、早く現実を忘れたかった。

「…何かあったんですか?」

「うん、会社で陰口たたかれてたり…、まぁ詳しくは本人が話すだろ。とにかくあいつ、すげぇ傷ついてるからちょっと心配で…」

「そうなんだ…。私今日休みだから舞子ちゃんと一緒に居ます」

「そっか、じゃ頼むな。また会おうって言っといてな」

「はい」

< 49 / 100 >

この作品をシェア

pagetop