あお
「そんなことないです!私たちは助け合ってるんです。本当に…本当に舞子ちゃんは頑張ってます!そう言えなんて頼まれてもないです!信じて下さいよ!」

「ちょっと依子、あんた何興奮してるの?…ま、あがんなさいよ」

そんなやりとりをしてるなんて知りもせず、私はひとり、街をブラブラしていた。
…歩きながら、私は考えた。

この日の夜、初めてこの部屋でひとりきりの一晩だ。
狭い部屋も広く感じる…。

田舎に帰った依子ちゃんに電話をしてみた。

「もしもーし、私」

『舞子ちゃん!何かあったの!?』

「何もないよ!私いつも心配ばかりかけてるんだね」

『いや…、へへへ、ちょっと心配しすぎてたかも…ごめん』

「なんでよ、私の方がごめんでしょ。ねぇ、顔見せたら喜んだでしょ」

『どうなのかなぁ?一番におみやげを期待されちゃったよ』

「えー、そうなの?ははは…」

『帰り着いたら親戚が集まっててね…』

「そう。じゃあうちの親も?」

『うん…』

「何か私の悪口言ってた?それとも無関心だった?」

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