あお
『無関心ではなかったよ』

「じゃあ悪口ね。いいよいいよ。大体想像つくし」

『でも…心配してるんだよ、きっと…』

「ま、無関心じゃなくてちょっとホッとしたよ。依子ちゃん、ありがとね」

私たちは、時間など気にせずにいつまでも喋った。

電話を切った後、喋りすぎて喉が渇いたので、外の自販機にジュースを買いに出た。
飲み干して、空が見えた。
星が今まで見たことがないくらいに輝いていた。
こんなのひとりで見るなんてもったいない気がして、健藏さんに“星がきれいだよ”とメールを送った。
きっと健藏さんも見上げてくれる…

―ピコピコ

健藏さんから返信が届いた。

“今どこ?”

私もすぐに返した。

“うちの外の自販機の前だよ”

“どうせなら一緒に見ない?迎えに行くよ”

“うん、待ってる”

健藏さんはバイクですっ飛んで来た。

「どうぞ、お姫様」

「ぷっ…早かったね!」

健藏さんは私を後ろに乗せて、またあの橋の下の土手に連れてってくれた。

「ここなら周りの明かりも無いからもっときれいに見えるぜ。土手に寝転べるし」

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