あお
「うわっ、本当だ。星が降ってくるみたい。依子ちゃんにも見せたかったなぁ」

「来ればよかったな。でも3人乗りはヤバいな」

「依子ちゃん今日から田舎に帰ってるんだ」

「そうなんだ、じゃあ来れないな。…舞子は帰らなかったんだ」

「私は帰れないよ。今日親戚が集まってたんだって。そんな場に私なんかいたら親に恥かかせるだけだよ」

「またそんなこと言う。胸張ってりゃいいんだよ!」

「…そうだね。あー、本当にきれいだね。私夢だったんだ、好きな人と星空を眺めてのんびりと過ごすの…」

「へぇ。…今ここの相手は俺でよかったのか?」

「さぁ…」

「なんだよ、ガッカリさせんなよ」

「じゃあよかったよ、健藏さんで」

「じゃあ…か。チェッ」

健藏さんはちょこっと膨れっ面になって空を見上げていた。
…私はそんな健藏さんをみつめていた。
…面白くて。

このまま時が止まってしまえばいいのに……

「さ、帰ろうっ」

「え、もうちょっと見ようぜ」

「見たいけど…、キリがないじゃん。健藏さん明日もお仕事でしょ?睡眠不足はこたえるよ!私も探さなきゃならないし」

< 71 / 100 >

この作品をシェア

pagetop