あお
別れ
健藏さんは、電話の依子ちゃんの様子が気になり、すぐにアパートへ向かった。

―ピンポーン

「何かあったの?…舞子は?」

依子ちゃんは私が書いた手紙を健藏さんに渡した。

「何これ?…『依子ちゃん、健藏さん、突然いなくなってごめんなさい』!?」

――私は2人に出会えて幸せでした。いつも2人に慰めてもらったり、励ましてもらったり、支えてもらってて…そんな幸せに甘えてていいのか?と自問自答を繰り返し、決めました。しばらくひとりきりで頑張りたいと思います。何も持たずに、行き先もこれから決めます。心配しないで、私は大丈夫。自分の足でちゃんと立てるようになったら、また帰って来ます。
依子ちゃんは勉強にバイトに色々頑張ってね。健藏さんも夢に近付けるように…2人とも、遠くから応援しています。
星きれいだったね。依子ちゃんにも教えてあげてね。…2人ともお元気で。
追伸、いつか約束してた似顔絵…適当に描いてみました。…雑です。今度はちゃんと描きます。――

「はは、なんだよこれ、似てねぇ…」

< 73 / 100 >

この作品をシェア

pagetop