あお
「私…結局何の力にもなれなかったのかな…」

「そんなことないよ…、勝手だよな。でもあいつなりに一生懸命考えた答えなんだろ。甘えたっていいのに…、あいつ、ああ見えて強いな。すげぇ…」

「本当に大丈夫なのかな?何も持たずに…」

「…信じよう。大丈夫だよ、きっといつか元気で帰って来るって!信じて待っていよう」


私は適当に電車に乗り、辿り着いた所は埼玉だった。
最初の夜は駅で寝た。といってもほとんど眠れなかったけど…。

夜が明けて、どうしようか途方に暮れたけど、たまたま寮付きの求人を発見し、半ば強引に頼み込んで、なんとか採用をいただけた。
これでなんとか屋根と壁のある所で眠れる…。


今までが嘘のように、仕事にも慣れてきて、ちゃんとお給料もいただけて、それなりの生活ができるようになった。
つらいこともあったけど、それなりに充実した毎日をおくっていた。でもなんか足りなかった…。

時は経ち、あっという間に3年が過ぎいた。
そろそろ依子ちゃんは卒業するはず…。

帰ってみようかな。

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