あお
「なんで?なんでこんなことになるの?私が帰ってきたから?私…2人を引き裂くために帰ってきたんじゃないのにっ…」

「舞子のせいじゃないよ。悪いのは俺なんだ。こうなったのがたまたま今日だったってだけで…」

「そうだよ。舞子ちゃんは私達が付き合ってたことなんて知らなかったんだし。ね、笑って別れよ!またいつか笑って会えるように」

「依子ちゃん、ごめんな」

「謝らないで。私、後悔なんかしてないし、嘘でも健藏さんといた時間は楽しかった」

「俺も…」

「舞子ちゃん、ごめんね。せっかく会えたのにやな思いさせたし、もっと色々話したかったけど…。あ、新しいアドレス教えてね。私のは前のままだから。私向こう行ったら今度こそひとりで寂しいから」

「依子ちゃん…」

「泣かないで。これから私達はまた新しく出発するんだから!」

「駅まで送るよ」

「いい。歩きたいの。じゃ、2人とも元気でね!」

「気をつけてな…」

依子ちゃんは歩いて駅まで向かった。
私は胸がいっぱいで何も言えずに、遠のいて行く依子ちゃんの背中をみつめるだけだった…。

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