真っ黒な愛を受け止めて
すると今度は、ラリマーが鈴香の近くまでやってきた。ラリマーはジッと誰かを見つめている。その目は鈴香を捉えていた。

(えっ?ラリマーさんとも目が合ってる?)

こんなことがあるのだろうか。不思議に鈴香が思っていると、ラリマーがチュッと音を立てる。投げキッスをしたのだ。途端に鈴香の周りにいるファンたちが歓声を上げた。

「ヤバい!今日、ファンサいっぱい貰えたんだけど!」

「二人から貰えるなんて、もう死んでもいい!」

ヒソヒソと鈴香の周りのリスナーが話す。確かに、こんなにファンサを貰ったのは初めてだ。鈴香の頬が赤くなる。

きっとこのライブは忘れないものになる、鈴香は胸を高鳴らせながら、ペンライトを握り締めた。



ライブが終わり、鈴香はまだ胸を高鳴らせながら駅へと歩いていた。二人のかっこいいところ、可愛いところ、たくさん送られたファンサを思い出し、「最ッ高!」とはしゃぐ。

「このライブ、行ってよかった〜。まあ、ファンサがあんなに多かったのはたまたまだよね」
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