真っ黒な愛を受け止めて
「大丈夫だよ、鈴香さんに触れているとそれだけで元気になれるから」とラリマー。

「さあ、僕たちと一緒に行こうね」とラズ。

その言葉の意味を鈴香が理解する前に、鈴香の体はラリマーに抱き締められ、身動きが取れなくされる。

「やっ!離して!」

鈴香は暴れるも、男性の力の前ではその抵抗は無意味だ。なら大声で助けを呼ぼうと口を開けると、ラズにキスをされて言葉を封じられてしまう。

ラズはキスをした際に、錠剤を口の中に入れてきた。鈴香はそれを吐き出そうとするものの、ラズが唾液と舌を無理やり押し込み、錠剤を飲み込んでしまう。

「ッ!」

強烈な眠気がやってきて、鈴香は必死で目を開けようとした。しかし、自分の意思とは反対に意識はどんどん夢の世界へ入っていく。

「「おやすみ、僕らのお姫様」」

意識を失う直前、二人のその言葉だけが聞こえた。



体や頭がどこか重く、鈴香はゆっくりと目を開ける。そこにあったのは、お嬢様の部屋にありそうな天蓋と見慣れない天井だった。
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