情熱的なあなたに抱かれ私は甘い夢を見る~新人看護師は無敵な外科医にしつけられてます~
もしかして意外とフランクだったりするの?


『あっち、行こうか』


七海先生はそう言って、私の背中を優しく押して前に1歩踏み出させてくれた。


全身オシャレな先生に横に立たれて、私はどんな顔をすればいいの?


嫌だ…心臓が鳴り出してる。


白衣ももちろん素敵だけど、今はまた違った人にも思えて、まるでモデルさんと歩いてるの?って、錯覚してしまいそうになる。


『あの…先生はどうして私なんかに声をかけてくれたんですか?その、なんていうか…違う科の看護師に…』


急に歩みを止めて質問した私に、数歩前に出ていた七海先生も立ち止まった。


『ん?』


そして、ゆっくりと自分の肩越しに振り返り、私を見た。


その様子がまるでスローモーションみたいで、眼鏡の奥の流し目に、私は恐ろしい程の色気を感じてしまった。


『さっき言った通りだよ』


『えっ…えと…元気になるから…ですか?』


『そうだよ』
< 18 / 240 >

この作品をシェア

pagetop