情熱的なあなたに抱かれ私は甘い夢を見る~新人看護師は無敵な外科医にしつけられてます~
『そ、それは…きっと素敵な彼女さんがいるんだろうなって思ってます』


こんなにイケメンなんだもん、絶対いるよね。


でも不思議…何だか急に知りたいような知りたくないような変な気持ちになった。


『勝手に想像してたのか?俺のプライベート』


蒼真さんは、長身の腰を曲げて、そのとてつもなく整った顔を私の目の前まで近づけた。


フッとさりげなく良い香りまでして…


『えっ、あ、想像してたっていうか…あの…』


言い訳しようとしたけど、私、確かに想像してた。


改めてそんな風に言われたら恥ずかしくなる。


『蒼真さん、本当に意地悪です』


『…いない』


『…えっ』


『彼女はいない、だから…』


そう言って、また私の耳元で、


『部屋においで』


って囁いた。


熱い吐息と共に流れ込んできたそのセリフは、私にとってはあまりにも刺激が強かった。


破壊力がすご過ぎて、蒼真さんに対して閉ざしていた壁みたいな物が少しだけ崩された気がした。
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