グレーな彼女と僕のブルー
「三度目は先月末、家具の買い物に行った帰り。あの狭い歩道で向かって来る強盗を取り押さえようとして、刺されてた」

　三つとも紗里が視た未来予知の映像に違いないと思ったが、どれもこれも身の毛がよだつ内容ばかりで足がすくんだ。

　半開きにした口から漏れるのは吐息ばかりで、声が出せない。

「恭ちゃんはあたしと関わらない方がいい」

「……でも、」

「恭ちゃんがここまで死に直面する理由が分からないの。あたしは何度も教えられた行動をとって回避してきたのに、どうして巻き込まれるのか分からない。
　準備予知に関してはやっくんにも話しているけど、実際に見せてきたのは恭ちゃんだけだから……だから。あたしが視てきた危機に恭ちゃんが巻き込まれているんだとしたら、関わることをやめた方がいい」

「……紗里」

「はっきりそうだと決まったわけじゃないけど……。あたしと関わらなくなってからは、恭ちゃんに危機の映像が全く視えなくなった。
　だからもう、前みたいに戻ればいいよ」

　そんな……っ！
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