グレーな彼女と僕のブルー
　④(まるよん)にそれらの内容をつらつらと書き連ねた。

　とにかく、紗里が帰って来たら問い詰めるつもりでいた。僕の立てた憶測が正しいのかどうか、答え合わせをしようと考えていた。

　そこでビク、と手が震えた。

　玄関にある小さな棚の上で、電話の親機がけたたましくベルを鳴らし始めた。

　スマホの時計を見ると、すでに午後九時を回っている。

　紗代子叔母さんが受話器を持ち上げて、何度か相槌を打っている。

　電話を切ったのを確認すると、僕は誰からのどんな内容の電話かを尋ねた。

　叔母さんは困惑した表情で頬に手を当てていた。

「夕方来た刑事さんからよ。紗里が今夜は帰らずにこのまま泊まって行くって……」

　え……。

「そう、ですか」

　それ以上かける言葉が見つからず、僕は「おやすみなさい」と挨拶だけを残して部屋に引っ込んだ。

　なんなんだ、あいつ……。何で帰って来ないんだ？

　スマホで散々と調べた結果、任意同行ならその時々のタイミングで帰れるらしいのだ。

　まさか本当にこのまま、逮捕されるなんてことにならないよな？？

「なにやってんだよ……っ」
< 159 / 211 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop