グレーな彼女と僕のブルー
 いつも一緒にいる友田 誠だ。

 部活も同じく陸上部の長距離で、あいつにだけ唯一笑顔を見せている。羨ましい。

 そして厄介なことにあたしは気付いてしまった。

 その友田 誠も恭ちゃんを特別な目で見ているではないか……!

 目を見れば分かる。これはあたしの勘違いではないはずだ。まずいと思った。

 恭ちゃんとその友達の友田 誠。

 あの二人を見て思ってしまう。

 友田くんが攻めで恭ちゃんは受けだ。これは間違いない。恭ちゃんはわんこ系男子に該当する。

「ねぇ、今回のキョウくん。どうなるの?」

 教室の隅で交わされる女子二人の会話が耳に飛び込んだ。

 彼女たちはいわゆる腐女子と呼ばれる方々で、恭ちゃんと友田くんをモデルに漫画を描いていた。前にノートを拾ったとき見てしまったから知っている。

「そりゃあもう、マコの部屋にお呼ばれしてるから〜」

「きゃあぁっ」

 きゃあじゃねぇえーーっ!!

 やばいやばいやばい。彼女たちの脳内でとはいえ、恭ちゃんがあいつに汚されてしまう。

 あたしは酷く焦っていた。

 もうこのまま指を咥えて見ているわけにはいかない。何とかしなければ。行動あるのみだ!
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