グレーな彼女と僕のブルー
*
一学期は大して行動もできずに終わった。
二学期が始まり、まず友田くんを誘惑してやろうと考えた。
恭ちゃんの可愛い顔が好きなら、多少系統は違えど、似ているあたしの顔もタイプなんじゃないかと思った。
友田くんが一人で廊下を歩いているとき、見計ったタイミングで飛び出し、わざとぶつかってみた。少女漫画にありがちな小道具としてハンカチまで落として立ち去った。
友田くんは律儀な性格なのか、その日の昼休みに拾ったハンカチを返しに来てくれた。
その際、しおらしく上目遣いで彼の目をジッと覗き込んだ。「ありがとう」とひと言だけお礼を言って去った。
結果は上手くいった。
友田くんは恭ちゃんにあたしの話をしていた。こっそり盗み聞きをしたことがあるので知っている。
けれど恭ちゃんは全くの無関心だった。相槌が超適当だったから分かる。
いちいち女子の話なんかしないでくれ、とその態度が言っていた。
あたしは意を決して、恭ちゃんを尾行することにした。
おそらく躍起になっていた。
恭ちゃんへの想いが恋かどうかなんて分からないが、顔は間違いなく好きだった。
一学期は大して行動もできずに終わった。
二学期が始まり、まず友田くんを誘惑してやろうと考えた。
恭ちゃんの可愛い顔が好きなら、多少系統は違えど、似ているあたしの顔もタイプなんじゃないかと思った。
友田くんが一人で廊下を歩いているとき、見計ったタイミングで飛び出し、わざとぶつかってみた。少女漫画にありがちな小道具としてハンカチまで落として立ち去った。
友田くんは律儀な性格なのか、その日の昼休みに拾ったハンカチを返しに来てくれた。
その際、しおらしく上目遣いで彼の目をジッと覗き込んだ。「ありがとう」とひと言だけお礼を言って去った。
結果は上手くいった。
友田くんは恭ちゃんにあたしの話をしていた。こっそり盗み聞きをしたことがあるので知っている。
けれど恭ちゃんは全くの無関心だった。相槌が超適当だったから分かる。
いちいち女子の話なんかしないでくれ、とその態度が言っていた。
あたしは意を決して、恭ちゃんを尾行することにした。
おそらく躍起になっていた。
恭ちゃんへの想いが恋かどうかなんて分からないが、顔は間違いなく好きだった。