グレーな彼女と僕のブルー
「いえ。仕事に出てるので」
「そうか。それなら今日は俺が車で送って行くからこのまま帰宅しろ。病院にも寄るからな?」
「……あ。ありがとうございます」
いつ病院に行くべきか悩んでいたので、長谷川先生の申し出は本当にありがたかった。
「今回の試合は見送ることになったけど、まぁ気を落とすな。また次がある」
「……はい」
長谷川先生にも肩をポンとされて、幾分諦めもついた。
「じゃあ俺は練習に戻ります。……じゃあな、恭介」
「うん、ありがとう」
それまで付き添ってくれていた誠が、練習に戻って行く。
僕は先生の手を借りて、整形外科を受診後、今住んでいる赤城家の前まで送ってもらった。
ずっと言わずにいたが、二週間前に火事に遭い、今は親戚の家に住ませてもらっていると事情を話した。先生は僕の不運に同情し、再度肩をポンポンとはたいた。
「とにかく安静にして休め。日曜の試合にも応援には来るなよ?」
「……分かりました」
ありがとうございます、と再三頭を下げて助手席から降り、先生の車を見送った。
玄関の扉を開けると、狙ったようなタイミングで紗里が階段を降りてきた。
「そうか。それなら今日は俺が車で送って行くからこのまま帰宅しろ。病院にも寄るからな?」
「……あ。ありがとうございます」
いつ病院に行くべきか悩んでいたので、長谷川先生の申し出は本当にありがたかった。
「今回の試合は見送ることになったけど、まぁ気を落とすな。また次がある」
「……はい」
長谷川先生にも肩をポンとされて、幾分諦めもついた。
「じゃあ俺は練習に戻ります。……じゃあな、恭介」
「うん、ありがとう」
それまで付き添ってくれていた誠が、練習に戻って行く。
僕は先生の手を借りて、整形外科を受診後、今住んでいる赤城家の前まで送ってもらった。
ずっと言わずにいたが、二週間前に火事に遭い、今は親戚の家に住ませてもらっていると事情を話した。先生は僕の不運に同情し、再度肩をポンポンとはたいた。
「とにかく安静にして休め。日曜の試合にも応援には来るなよ?」
「……分かりました」
ありがとうございます、と再三頭を下げて助手席から降り、先生の車を見送った。
玄関の扉を開けると、狙ったようなタイミングで紗里が階段を降りてきた。